賃貸契約書をなくしてしまったら

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契約書がない!
賃貸借契約時には、たしかにあったはずの契約書…

退去するまで大切に保管してくださいと、このブログでも再三お伝えしてきましたが、担当者が変わったり、オフィスのレイアウトを変えたりした時などに、紛失してしまうことも少なからずあるようです。

では、不本意ながら実際に無くしてしまった場合、どのような影響があるのか、またどうすれば良いのかお伝えできればと思います。

 

意外と困ることは少ない

このページを読まれてる方は、既に困っている方が大半かもしれませんが・・・

意外と賃貸契約書をなくして困ることは少ないです。基本的な契約内容を把握していれば、特に契約書自体が必要になることはありません。

無くしてしまった方からのよくある質問としては、「賃貸契約書を退去する際に返却するまたは、提示する必要はありますか?」というのがありますが、実際に退去する際に契約書が必要になるということは、まずありえません。

 

契約を解除されることもない

他にもよくある質問としては、「契約書をなくしたのですが、契約が無効になりますか?」というものがあります。

契約書をなくすということは、契約をした証拠がなくなるということになります。そう考えると契約をしていないとみなされて、契約自体を白紙にされるのではないかと不安になる方もいらっしゃると思いますが、契約書に調印した時点で契約は成立しており(厳密にいうと口頭でも契約は成立)、契約後に紛失したとしても、それを理由に解除されるということはありません。

 

重要なのは書類ではなく内容

なくても困らないというような書き方をしてきましたが、書面自体は提示や提出をする機会がない限り必要がないというだけであって、重要なのは、その中身である契約内容です。

例えば、賃料改定の場合や退去する際の原状回復に関する定めなど、トラブルになりがちな項目の契約内容を把握しておかないと、実際にそういう場面に遭遇した場合、やはり契約書は必要になります。

また、把握していた(覚えていた)だけでは、貸主・借主双方の意見が食い違った場合には、証拠として契約書は非常に重要になります。

 

原則、再発行はされない?

では、どうしても必要になった場合はどうすれば良いのでしょうか。

再発行ということが考えられますが、基本的には再発行はしないと覚えてもらったほうが良いでしょう。なぜなら、再発行をすれば発行日が紛失した物と異なり、本契約の内容を正確に証明する証拠にならないからです。また、再度調印をしなおすということを貸主は敬遠しがちです。なので再発行ということは考え難いのが原状です。

 

では、内容をどうやって確認すればいいのでしょうか・・・。

 

複写で確認できる!?

契約書は当事者の双方、貸す人と借りる人に一部づつ交付するのが一般的です。つまり自分が交付されたものとまったく同じものを貸主が保管しています。それのコピーをもらい確認するのが一番の有効な手段です。

「そんなに簡単にもらえるの?」また、そんな依頼すると、今後自分が契約のことで不利になってしまうのではないかと懸念される方もいらっしゃるとは思いますが、よほどの悪徳ではない限り、そのようなことはありませんし、拍子ぬけするぐらい簡単にコピーをもらえると思いますよ。

 

貸主も無くしていた!

今までの経験上、『貸主も無くしていた!』なんてことがありました。

その場合は契約の仲介した会社に連絡してみてください。仲介会社は仲介した契約に関する書類を保管する義務があります。

契約書の複写も、その中に含まれていますのでコピーくらいでしたらすぐにもらえます。但し、保管義務は5年間、きっちり期間毎に処分している会社だと無い可能性もあります。また手数料が発生するかもしれませんので、その点は注意してみてください。

 

原本が必要になる場合

トラブル以外でも、コピーでは足りず、原本が必要になる場合があります。

例を一つ挙げてみると、新たな事業を始める際にその事業が役所などの許可が必要となる事業の場合、ほとんどが契約書の原本の提示を求められることになります。

無くしてしまっていると許可がとれないということになってしまいます。また、保証金の預証が契約書と一緒になっている場合があります。この場合は、預かり証ですから原本は借主側にしかありません。返還の際にトラブルにならないように紛失しないよう厳重な注意が必要です。

このように原本が必要になることもあります。基本的に何事もなければ、無くしてもそれほど困るものではありませんが、いざという時に必要になるのが契約書です。

いつ必要になるかわかりませんので、やはり大事なものですから、紛失しないように気を付けるほかありません。

 

賃貸契約書は、退去するその日まで、大切にそして厳重な保管をお願いいたします。