家賃保証会社の仕組みとメリット・デメリット

fb.家賃保証のメリット・デメリット

事務所などの賃貸物件をお探しであれば、物件の契約とは別に家賃保証会社への加入がセットになっている物件情報を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

家賃保証会社とはどういうものなのか。また、連帯保証人をつけられるのに保証会社加入が義務付けられるのはなぜなのか。疑問に思われる方も多くいると思います。

そこで今回は家賃保証会社について仕組みやメリット・デメリットを書きます。

家賃保証会社とは

家賃保証会社は、借主から保証料(手数料)を得ることによって、その保証会社が家賃の連帯保証をするサービスを提供している会社です。借主に家賃の滞納などがあったときには、貸主へ家賃を立て替え払いします。

滞納などで保証会社が立て替えた金銭は、保証会社から借主に請求することになります。また、明渡し訴訟になった場合には、その訴訟費用を保証会社が負担して行います。その他に残置物の撤去費用や原状回復費用なども保証されます。

 

保証料

保証料は会社により違いはありますが、借りる物件の月額賃料の30%~100%で、契約期間は1年間が一般的です。また、更新する際にも更新保証料がかかり、こちらは初回よりも下がり、大体10%~や1万円という設定です。

 

利用するメリットとデメリット

利用するメリットは、主に貸主のほうが大きいでしょう。

先に述べたとおり家賃滞納の心配もなくなりますし、本来であれば大きな負担になってしまう訴訟費用や原状回復費用の保証は、大家さんにとって、とてもメリットのあることだと思います。

一方、借りる側のメリットとしては、連帯保証人が立てられない場合や設立間もない信用の薄い会社だった場合に、保証会社を利用することによって入居が可能になるケースがあるため、物件の選択肢が広がるということがあげられます。

デメリットとしては、契約時に負担がかかること、掛け捨ての保険のようなものなので戻ってくることもありません。また万が一滞納をしてしまったときの督促は、専門の部署などが行いますので、貸主や管理している不動産会社よりも厳しくなります。

 

利用できない物件もある

前項では、貸主のデメリットには触れませんでしたが、貸主にもデメリットがあることはあります。それは保証会社が倒産したときです。

保証会社のみの契約だった場合、連帯保証人がないということになってしまいますので、この状態になってしまうと、入居者に改めて連帯保証人を立ててもらうことはほぼ不可能ですのでとてもリスクが大きいです。

最大手だった会社が倒産したことも実際にあり、そのときにこのような経験をして非常に困ったという大家さんが少なからずいますので、大家さんの意向で保証会社は使わないという物件も存在します。

 

連帯保証人がいても利用する場合

本来、保証会社とは連帯保証人の代わりになるものと思いますが、物件によっては連帯保証人がいても保証会社の利用が義務となっているものがあります。

なぜかというと賃貸事務所の契約の場合、契約名義は会社で連帯保証人は代表者個人というのが一般的です。これは、会社と社長個人は別者ということで成立つのですが、法律的にはそうであっても実質的には一緒と考える貸主さんもいます。そのような考えの下に、連帯保証人+保証会社という組み合わせにしておいたほうが貸主にとってリスクを抑えられるということです。

そして、連帯保証人がいても滞納等は起こりうるものですので、貸主にとってとても煩わしい督促や訴訟費用負担などのメリットは捨てきれないということでしょう。

 

問題点、規制する法律がない

現在のところ家賃保証会社を規制するような監督官庁や法律はありません。なので一部の保証会社では強引で行き過ぎた督促、強制退去などが起きて問題になっているケースもみられます。そのため、賃貸保証業協会などでは、自主ルールを策定して会員会社に規制を促すことで、以前よりは適正化されてきています。しかし、団体に属していない家賃保証会社もまだまだあるのも現実です。

 

終わりに

保証会社の契約内容や保証範囲、サービスは会社によって様々なので、契約する前に注意してみてください。

加入が義務付けられている物件では、貸主指定の会社となることが多いため、借主が会社を選ぶことはほとんどできませんが、内容を必ず確認することをおすすめします。

納得のいかない、おかしなものであった場合は、その物件をやめるという決断も良いのではないでしょうか。