今回は、前回に続き山手線の新駅の場所とその周辺の町や賃貸事務所について、前回よりもう少し掘り下げてみたいと思います。
山手線で30番目の新駅開業の理由
新駅建設の理由としては、インターネットや新聞などを見ると様々で、憶測なども交じり、どれが本来の理由なのかわからなくなってきますが、まとめると概ね以下に挙げる事が一般的のようです。
- 港南エリアの高層マンション建築ラッシュにより人口が増加。
一部の地域では、田町駅、品川駅からは遠く不便であったので、新駅の設置を希望する声が多かった事。 - 東北縦貫線の開通
「東北縦貫線」というのは、現在上野駅止まりの宇都宮線、常磐線、高崎線を東京駅まで乗り入れ、東海道線との直通運転をするもの。
これにより、現在の田町駅~品川駅間にある車両基地が必要なくなるので、その跡地を品川再開発の一部として山手線新駅を作るという事。 - 国際戦略総合特区に指定
前回の記事でも少し書きましたが、国や東京都は、品川駅~田町駅周辺エリアを「サウスゲート」として国際戦略総合特区に指定し、再開発を進めています。
外資系企業を積極的に誘致して5年間で500社以上という目標を立てています。
その再開発の中で、山手線の新駅は目玉と言えるでしょう。外国からの玄関口という役割を担います。 - 品川駅港南側の活性化
一部で言われているのは、現在品川駅港南口側は高輪口に比べ閑散としている感があり、新駅の開業で、港南側を活性化させる狙いもあるようです。
確かに、品川駅の港南口は、オフィスビルなどが建ち、平日はある程度賑やかではありますが、休日は少しさみしいイメージがあります。新駅の影響でどうなるか楽しみです。
駅名が気になります
山手線の新駅開発決定の発表を受けてから、とても気になるのが駅名です。
今のところは決まっておらず、公募も視野に入れて検討するとされています。
そこで、いくつか候補になりそうな駅名を考えてみました。
「サウスゲート駅」:これは本当にありそうだと思いませんか。
「高輪駅」:予想などを調べるとよく見かける有力駅名。
「芝浦駅」:シバウラと発音しやすいので国際都市として有りではないでしょうか。
その他には「新品川駅」「南田町駅」など隣駅に一字加えたものや、古典落語の芝浜からそのままずばり「芝浜駅」という予想をされている方もいるようです。
芝浜駅は個人的に好きです。でも可能性は低そうですね。
それからこれも個人的な意見ですが、「とうきょうサウスゲート駅」のような平仮名を使用したものはやめてほしいです。
それでもありそうなので、これになったら私を笑って下さい。
思ってたより遠い泉岳寺駅
山手線の新駅がまだ噂話程度であった頃、よく耳にしたのは、都営線と京急線が乗り入れる泉岳寺駅あたりに新駅ができるという話。
しかし、正式に発表されて位置を見てみると思っていたよりも遠いことに気づきます。
距離でいうと300m、また第一京浜を渡ることを考えると乗り換えはけっこう面倒ですよね。
JR東日本は、泉岳寺駅について「連絡手段を考えたい」と発表するに止めていますので、どうなるかはまだわかりませんが、これはアクセス向上のためにも是非実現してほしいです。
山手線の新駅に歩いて行ける街
前回もご紹介しましたが、今度は地図と賃貸事務所の賃料相場などもご紹介したいと思います。
まずは港区高輪。
新駅の住所は港区港南になりますが、実質では駅に一番近い住所が高輪となります。
泉岳寺をはじめとした由緒ある寺社が多く点在し、都内でも有数の高級住宅街として知られています。
南北に長い丘陵地のため、坂が多いことが特徴の一つです。
ランドマークは品川プリンス、高輪プリンスなどのホテルや泉岳寺、高松宮邸。
主に住宅街を形成しており、最近では、西側を走る桜田通りにタワーマンションを見るようになりました。
賃貸事務所などの商業ビルは、第一京浜沿いの品川駅、泉岳寺駅周辺と桜田通り沿いに建ち並びます。
オフィス街という雰囲気はありませんが、上場企業の本社ビルが多く(京浜急行電鉄、日本トムソン、ジャステックなど)あり、その関連企業が集まります。
写真は桜田通り
事務所物件は、大規模なビルと小型のオフィスが少ないので、選択できる物件は限られているといえるでしょう。
しかし、中規模ビル30坪~100坪くらいの賃貸事務所ビルはありますので、この規模で探すならある程度選択件数は増やせます。
山手線の新駅の開発で地価が上昇することが予想され、賃貸事務所やマンションなどの賃料相場も上がると思いますが、現在の賃料相場はこちらです。
- 30坪未満:11,560円/坪
- 31坪~50坪:15,786円/坪
- 51坪~100坪:16,895円/坪
- 101坪以上:11,738円/坪
※2014年6月27日現在
東京スカイツリーや渋谷ヒカリエなど近年開発された建物の付近では、開業に合わせて地価が上がりました。
高輪でも山手線の新駅や再開発事業により賃料相場は上がるでしょう。
港区三田
新駅から近いのは、3丁目と4丁目。
三丁目は中心部を第一京浜が縦断する形で、線路側に規模の大きいオフィスビルが建ち並びます。
桜田通り側の4丁目は、高輪同様に坂が多い地形となっており、聖坂、幽霊坂や塩見坂など、名称のついた坂が数多く存在します。また地図をご覧にいただければ分かるように、寺社も多く点在しています。
幽霊坂です。
桜田通り、第一京浜といった大通りには賃貸事務所などのビルが目立ちますが、通りから少し入ると閑静な住宅街となっています。
大名屋敷など武家屋敷が並んでいた江戸時代から続く住宅地です。
そんな港区三田のオフィス賃料相場は、
- 30坪未満:12,791円/坪
- 31坪~50坪:13,215円/坪
- 51坪~100坪:12,929円/坪
- 101坪以上:11,850円/坪
※2014年6月27日現在
新駅東側の港南
駅予定地の東側にあたる港南は、東京湾に面した沿岸にあり、全域が埋立地となっています。
したがって西側の高輪や三田とは対照的に平坦な地形をしております。
芝浦水再生センターをはじめ、都再生油工場、都家畜飼育場など、東京都の施設が多くあり、以前は人通りの少ないエリアでしたが、近年の再開発によりオフィスビルや高層タワーマンションなどができたことで、街は活性化してきました。新駅の誕生でさらに賑やかになるでしょう。
新駅に一番近い1丁目には、駅前になると想定される位置に広大な敷地の芝浦水再生センターがあります。
こちらの施設では、現在上部を利用した開発計画があり高層マンションが建つ予定になっています。
新駅誕生より一足先に完成する予定で、街の景観がさらに変わっていくことでしょう。
賃貸事務所は、大型のオフィスが多く広い範囲に渡って存在し、品川駅の東海道新幹線の開通以降、多くの企業が本社を移してきたということもあって、上場企業やその関連企業などが多く集まる都内でも有数のオフィス街となっています。
再開発により国際都市へと変わるということで、今後は外資企業が多くなるでしょう。
港区港南の事務所賃料相場
- 30坪未満:14,509円/坪
- 31坪~50坪:16,007円/坪
- 51坪~100坪:14702円/坪
- 100坪以上:13,778/坪
※2014年6月27日現在
ウォーターフロント芝浦
バブル時代には「ウォーターフロント」として人気があった芝浦は、港南と同じく埋立地で、運河が多く流れるのが特徴的な街です。
現在は、田町駅を中心としてオフィスや商業施設が広がります。
また最近では高層マンションの開発が盛んに行われ、それによって急激な人口増加が起こりました。
新駅誕生の要因の一つとされていますね。
その新駅から一番近い4丁目、運河に囲まれた島状となっており、中心を走る旧海岸通りや運河沿いにオフィスビルや高層マンションが建ち並びます。
芝浦アイランド。
高層タワーマンションが多くなりました。今では芝浦といえばタワーマンションというイメージも定着しています。
運河に停泊中の屋形舟。風情があっていいですね。芝浦ならではの風景です。
この芝浦にある賃貸事務所は、新しくて設備が整ったハイグレードな物件が多いように思います。
ビルのグレードを重視してオフィス移転をお考えなら、候補地の一つにしてもいいかもしれません。
そんな芝浦の現在の賃貸事務所相場は
- 30坪未満:12,607円/坪
- 31坪~50坪:13307円/坪
- 51坪~100坪:12,653円/坪
- 101坪以上:11,997円/坪
※2014年6月27日現在
これまで、駅から遠く賃貸事務所の移転ニーズとしては低かったこれらの地域も山手線の新駅ができることによって大きく変わるでしょう。
2020年!とても楽しみです。
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