賃貸事務所ビルやマンションのような、多くの人が集まる
建物では、戸建住宅などとは異なる設備の点検が
法律で義務付けられています。
電気設備点検や消防設備点検などが挙げられますが、
特にエレベーター点検は、オフィスビルやマンションなど、
大型の建物には欠かせない法定点検です。
賃貸の事務所では、
共益費や管理費の中に、この保守点検に関わる費用が含まれていますので、
どのように行っているのか、気になる点もあるかと思います。
ということで、今回はあまり一般的には知られていない
エレベーターの保守点検について、ご紹介しようと思います。
技術的な面は私も専門ではないので、省略させていただきますが、
ここでは、種類や費用について平均的なものでご説明します。
点検の回数
建築基準法では、年1回の検査が定められています。
ここで、ふと疑問に思われる方がいらっしゃると思います。
「うちのビルはしょっちゅう止めて点検してるよ」
そうなんです。
法律では年1回と決められているのですが、実際にはそれだけでは
不十分と言え、1ヶ月~3ヶ月に1回の割合で行われるのが、
多くのメンテナンス会社の通例となっています。
法律よりもより安全性を重視した結果だと個人的には思います。
「ご迷惑をおかけします。」の看板を見る機会が多いほど、より安全と言えるでしょう。
エレベーターの耐用年数は25年~30年。
長く使用する重要な設備なので、メンテナンスのサービス内容は重要ですね。
構造
エレベーターの構造は大きく分けて以下の2つ
- ロープ式
ロープで上下移動させる構造です。
最上階に機械室があるのが特徴でしたが、最近は機械室が
必要ないものが主流となっています。
ロープ式は、アクション映画の逃走シーンなどでよく見かけますね。 - 油圧式
油圧ジャッキの上下動で移動します。
機械室が最下階にあるのが特徴的です。
メンテナンス会社との契約
メンテナンス契約は以下の2種類から選べます。
- POG(パーツ・オイル・グリース)
パーツやオイルなど、定期点検や仕様範囲内の消耗品を除いた部品の
交換や修理などの費用がその都度発生する契約。
簡単に言うと、決められた物以外の交換は毎回別途費用が掛るということです。
したがって、次にご紹介するフルメンテナンスに比べると月々の費用は割安です。 - フルメンテナンス
パーツ交換や大規模な修理などが初めから含まれている契約です。
予定外の費用が発生しない分、安定感と安心感がありますが、
当然こちらの契約のほうが、月々の費用は割高です。
契約費用参考例
7-8階建 9人乗 速度90m/分
POG:4万円前後/月額
フルメンテナンス:5~6万円/月額
メンテナンス契約は、賃貸事務所の場合はビルオーナー、
分譲マンションの場合は管理組合などが契約し支払います。
どちらの契約にするかは自由ですが、一般的な賃貸事務所ビルでは、
フルメンテナンスの方が多いように感じます。
また、メンテナンス費用は以下の選択によっても変わってきます。
メーカー
設置しているエレーベーターのメーカーが点検します。
当然、自社で作っている機械ですから専門性が高く、パーツの
交換も早いのが特徴です。
独立系の会社
全てのメーカーに対応します。
メーカーに比べると安価なことが特徴です。
但し、パーツ交換などの部品は当然メーカーから
取り寄せなければいけないので、修理自体に時間が
かかってしまうという面もあります。
このような形で、賃貸事務所のエレベーター保守点検はメンテナンス会社と契約し、
行われています。
快適、安全なオフィスの為に必要不可欠な法定点検。
今回はエレベーターの保守点検についてご紹介しましたが、
近いうちに、その他の法定点検、電気設備や防火設備の点検などもご紹介したいと
思います。
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