賃貸事務所は意外に泥棒に狙われやすい
都内で起こる侵入窃盗の認知件数を警視庁統計資料で見てみると2012年の統計では、全体の13.8%が一般事務所ということになっています。
一般住宅に比べ、金目のモノが少ないので、泥棒に狙われることはないと思われがちですが、事務所を狙う泥棒はパソコンなどの電子機器や機密書類、手形や株券などを目的に侵入するようです。
最終的に転売することが目的なんでしょうね。
また、事務所やオフィスは、スーツを着て普通にしていれば怪しまれずに行き来できること。
それに夜間や日祝日は無人なることが多いというのが狙われる理由のようです。
そういえば、都内のオフィスビルは機械警備を完備している物件が一昔前に比べると随分と増えたように思います。
今では、移転先は機械警備が絶対条件という企業様も多いです。
でも一言で機械警備といってもどういうものがあるのかわかりませんよね。
そこで今回は、オフィスビルなどで一般的に使用されている機械警備のことについて、警備の方法や入退室の方式などをご紹介してみます。
物件や警備会社によっていろいろな違いがあります
物件や警備会社によって警備のかけ方や方法には、いろいろな違いがあります。
ここでは、セキュリティの方法などをご紹介してみようと思います。
機械警備システムの操作方式
- テンキー操作パネル型
一番古くからあるタイプです。
文字列を配したパネルで暗証番号を入力することで警備をかけたり解除したりする方式です。 - セキュリティカード差し込み型
ビルのエントランスやオフィス入口に設置されたリーダにカードを差して警備開始や解除をする型です。セキュリティカードを紛失した場合、紛失したカードの廃止手続き、新規でのカード発行などが必要ですので、紛失には注意しましょう。 - 非接触カード型
リーダにカードをかざすだけで、解除や開始を行える方式です。非接触型のカードで一番分かりやすいのは、Suicaなど交通系のプリベイド型電子マネーカードでしょう。
実際にそういう交通系のカードとセキュリティカードを一つにした警備機器を取り付けた事務所もあります。これから増えるのではないでしょうか。 - 指紋照合型
リーダの指紋読み取り部分に登録した指紋を読み取らせる方法です。
これはここ数年で随分と進化したように思えます。最近では、携帯電話でも指紋読み取る機能がついていますよね。 - 虹彩認証型
指紋照合と同じように生体認証のタイプです。よく映画などで赤いラインが目をピーっと上下してるあれです。しかし、これは事務所ではまだまだ見かけません!
これらが、警備システム開始と解除の代表的なものです。
主流は(1)や、(2)の方式ですが、(3)や(4)も増えつつあります。どんどん便利になってきてますね。
機械警備システムの感知方式
泥棒や不審者が室内に侵入したのを感知して警備会社に通知するか、その場で非常ベルを作動させる為の仕組みもいろいろあります。
- マグネットセンサー(防犯の基本は窓!)
窓に直接専用の機器を設置し、強引に開けようとしたり、割って入ろうとすると発報したり通知したりするセンサーです。
マグネット式が多く、扉などが開いたらマグネットが外れて窓が開いたことを感知し、警備会社に通知します。
一般事務所の侵入手口としてダントツに多いのが、窓を破っての侵入ですので、窓の警備を強化することは防犯の意味で非常に有効といえるでしょう。警備会社によっては破られない窓などを販売してる所もあります。
事務所の防犯の基本は窓からということですね。 - パッシブセンサー(ネズミにも反応してた!?)
事務室の天井、主に角に設置された円形のセンサーです。
以前は、ネズミなどの小動物やコピー機などに反応して誤作動を起こすことが多かった代物ですが、最近のパッシブセンサーは違います。
人間の動きだけ、それもわずかな動きでも感知するようになっています。
どういう仕組みなのか調べてみたのですが、ツインミラー方式という言葉しか分かりませんでした。 - 防犯カメラ(感知というより監視!?)
防犯カメラは、事務所内部ではあまり用いられませんね。
主に、エントランスや外壁などに取り付けられています。
犯罪の抑止や、もし起こってしまった場合などの捜査の資料として使われます。
感知するシステムとしてはこれらが代表的なものになります。
防犯用途以外の感知システムとしては、熱感知や貯水槽の水量などを感知するシステムがありますが、それらは主に火災や水道調整の異常発見を目的としています。
その他の警備
エレベーターが止まらない!?
1階でエレベーターに乗り目的階のボタンを押す。
『あれっ?反応しない?』という経験をされたことがありませんか?
そのような物件は、エレベーターを、その階に止まらなくすることで、防犯、警備をしています。
『エレベーターが止まらない』ということは、そのフロアにたどり着けないので、安全性に長けていると思えますが、ちょっと注意しなくてはいけないポイントがあります。
日中はフリー
エレベーターを不停止にする事と、機械警備が連動している場合、不停止にすると警備が掛ってしまいますので、仕事中は警備システムを使用できません。
その場合、日中などはフリーで誰でも昇ってくることができます。
エレベーターダイレクトイン(ホールなどが無く、扉が開いたらすぐお部屋)であれば、室内まで入ってくることも可能です。
日中は女性だけしかいない事務所などは、新たに扉を設置するなどの対策が必要になるでしょう。
※連動していない不停止キー
エレベーターを不停止設定にするには、一般的はキー操作が必要です。
連動していないタイプであれば、室内に人がいてもエレベーターを止めることができます。
(上記のような心配もなくなりますね。)
入館カードと入館ゲート
エントランスで受付をして入館カードをもらう方法とゲート式(遊園地の入口でよく見ます)のビルがあります。
主に大規模なビルで多く、今誰が建物内に居て、誰が出て行ったのかを管理しています。
入居者以外はアポイントの有無も確認しますので、飛込み営業などがいきなり入ってくる心配もありません。
警備員による有人警備
警備員室に警備員が常駐しているタイプのビルです。警備員が常時監視モニターや巡回などをして警備しています。
建物内に警備員がいる安心感は機械警備の物件にはありません。
主に中規模以上のビルにあるタイプの警備方法です。
大事な機密情報、特に個人情報などが盗まれてしまうと、会社の信用も無くなってしまいます。
安心、快適なオフィスとは、万全の防犯対策がされているということかもしれませんね。
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