けっこう厳しい不動産広告の規制

賃貸事務所をお探しの企業様。
または、不動産を購入、住居用の賃貸マンションをお探しの方は、
よくご覧になる馴染みある物件チラシ。
その不動産広告には様々なキャッチコピーがありますね。
対象物件に興味を持ってもらうために、各不動産会社が試行錯誤して
表記しているわけですが、それらの不動産広告には、結構厳しい規制があります。

そこで突然ですが問題です。
以下の5つの中で、規約違反の可能性があるのはどれでしょう。

  1. 賃料値下げしました!50万円→45万円
  2. EV不停止機能でセキュリティ万全です。
  3. コンビニ、金融機関徒歩圏で便利です。
  4. キャンペーン中!平成26年4月末までのご契約の方に限り礼金半額
  5. リフォーム済み、ぜひ一度ご覧下さい。

いかがでしょうか、おわかりになりますか。

答えは、
全てダメです。
と、なりそうですが、4だけはセーフです。
しかし、1と2、3と5の不可とされる中には補足を付け足したり、少し変えるだけで
規制をクリアするものがありますので、一つずつ解説してみたいと思います。

 

賃貸物件は値下げ表示自体が不可

事務所やマンションなどの賃貸物件は、二重賃料表示が禁止されています。
なぜなら、オフィスビルやマンションは年が経つにつれ劣化していくのが自然であり、
賃料は下がっていくものです。その値下げが経年劣化によるものか、それとも競合物件と
比較してのものなのか判別し難く、一般消費者にとっては、そういう情報を持っておりませんので、
優良と誤った認識をさせてしまう可能性があるということです。
したがって値下げ表示は不可ということになります。

万全、完璧、最高などの完全表現

完全に落ち度がないような表現は、全てダメです。
これらの他に、超○○、絶対なども規制されます。
但し、これらの用語は表示内容を裏付ける具体的な根拠や事実であることを示せば
使用しても良いとされています。
例えば、全戸駐車場完全完備など事実であれば「完全」という表現を使っても問題なしです。
また、「見れば必ず気に入ります。」なども具体的根拠がないため不可とされていますが、
「必ず」を「きっと」などに変えるとOKです。

徒歩圏って誰の基準?

徒歩圏というのは、人によって違いますよね。
曖昧な表現となってしまいますので、この表現は不可です。
コンビニなどの商業施設が近くにある利便性をアピールする場合は、
道路距離を明示することとされていますので、「○○まで約○○m」となっていれば、
規制されません。

条件が明示されていれば値引き表記も可能

表示不可の値下げと混同されそうですが、賃料などから一定額の割引をする場合は
該当する条件を明示し、割引後の額、割引率を表示すれば二重価格表示に該当しません。
したがって、4のキャッチコピーのように、条件とされる期限を明示すれば可能ということになります。

「リフォーム済み」だけではNG

建物をリフォームしたことを表示する時は、その内容と時期を明示することとされています。
5の場合はリフォーム済みと書いてある別の個所でもよいので時期や内容を書く必要があります。
例えば、「平成26年3月に給湯設備交換、クロス、タイルカーペット張り替え」などが、
明記されていることで大丈夫です。

 

これら以外にも細かく規制対象とされるルールがありますが、今回はよくありがちなものを
例にご紹介しました。このように物件チラシなどの不動産広告にはあらゆる規制がされています。
意外と一般的には知られていないことなので、驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
個人的にはちょっと厳しすぎるかなという気もしますが、今後もルールに則っていきたいと思います。

 

消費税表示について

広告について書いてきましたので、今月から変更された消費税について、不動産広告における
表示の仕方も少し書いておきます。
まず、変更前までは業種を問わず、サービス、商品価格は消費税を含んだ総額表示が
義務とされていました。
しかし、今回の消費税率改正では、値札の張替えなどの事務負担を減らすことなどを考えて
特別措置として税抜表示も認められるようになりました。
※税込価格ではないことが分かる措置(○○円(税抜き)等)がなされていることが条件。
これにより、スーパーなどの値札は税抜き表示が増えると思われますが、
賃貸事務所など、賃料に消費税が発生する不動産広告は不動産公正取引協議会によると、
これまでと同様に総額表示とすることとされています。
したがって、当サイトに掲載されている物件の賃料や共益費など、消費税がかかるものは、
全て税込の総額表示としてます。